エッセイ
歳の割に大人びている人と、反対に歳の割に子供っぽい人はどちらも存在する。 見た目の問題である場合もあるが、ほとんどの場合は、その人の性格や言動に起因するものが多い。 大人びた性格と子供っぽい性格の分かれ目は、一体どこにあるのだろう。 私はよく…
「あまのじゃく」という言葉がある。 生物ではなく、人に対して使う場合を考えてほしい。 別の言い方をすれば、「ひねくれもの」とも言うだろうか。 正直私自身も、あまのじゃくな部分はあるという自覚がある。 この「あまのじゃく」的な要素は、心理学的に…
何か嫌なことがあったり、逆に嬉しすぎることがあったり、どんな感情であっても気持ちが高ぶると人は涙を流す。 そしてその後、人によって時間のばらつきはあれど、沢山の涙を流すと不思議と気持ちが落ち着いたりする。 「涙」は、「さんずい(水)」に「戻…
誰もが一度は、撮ったり見たりしたことがある「写真」。 思い出を残す為、あるいは何かを記録する為の手段として利用されることが多い。 私の母も、私の幼い頃の写真を見て、よく昔話を嬉しそうにしてくる。 写真を見ただけで、その当時の記憶が呼び起こされ…
冴えない人が急に変身することがよくある。 ドラマでもよくあることだが、ドラマの世界に限らず身近でも起こりうることだ。 そういった変化を、時に「化ける」と言うが、この原理に似ているものがある。 「花」という字は、草が化けると書く。 草は、雑草も…
「劣等生の方が幸せかもしれない」と最近思う。 それに、世の中もまた、劣等生を求めているように感じるのだ。 劣等という言葉をどう定義するかにもよるが、劣等生は一概に悪いとは言えない。 「劣等」という言葉は、通常「“普通”より劣る」と定義されること…
「子供の学力」と「家庭の経済力」が結び付けて語られることが多くなった。 つまり、裕福な家庭ほど教育を受けるチャンスが増え、経済的に厳しい家庭ほど子供が“自力で”学ばなければならなくなる可能性が高まるということだ。 私はごく普通の家庭で育った。 …
「あなたは自分に自信がありますか?」 そう問いかけられると、私は首を縦に振ることが出来ない。 しかし、「あなたは自分を信じることが出来ますか?」と言われると、少し答えに迷ってしまうだろう。 しかし、「自信」という言葉の意味は「自分を信じること…
人格は、「経験」の積み重ねによって形成される。 ここでいう「経験」は、生まれ育った環境や、出会った人々との時間も当然含まれる。 だから人格は、一生定まることなく変化し続けるのである。 テレビ番組で、ある一人の少女の話を観た。 その少女は小さい…
私の小さい頃の夢は、看護師だった。 それは、身近な慕っている人が看護師だったから。 しかし年齢を重ねると、公務員を志すようになっていた。 理由は、単純かもしれないが、「公務員に向いている」とよく言われていたからだ。 でも今、私は普通に会社員で…
あなたの好きな作家は誰ですか? 私は、どちらも小説家だが、唯川恵さんと東野圭吾さんだ。 では、好きなライターは誰ですか? ライティングの仕事や、ライティング関連の趣味などがある人にとっては、簡単な質問である。 ただ、そういったことに興味がない…
「どうして空は青いの?」 子どもが聞いてくる質問として最もよく聞く質問だろう。 大人にとっては当たり前のことでも、子供は無邪気に「なぜ?」と聞いてくる。 その子供のまっすぐな質問に、ドギマギした経験を持つ人も多いはずである。 でも、この「分か…
切ない―。 よく使う言葉だけど、文字で見たときにふと不思議に思った。 「何で『切』って漢字が使われてるんだろう」 そもそも『切』っていう漢字から連想するイメージと「切ない」の言葉は、どこか結び付かない気もした。 それに『切』という漢字が使われる…
「還暦」と聞くと、とても高齢のようにとられていた時代がある。 私自身も正直小さい頃は、「60歳」と聞くと高齢者という印象があった。 しかし今年、自分の両親が還暦を迎えたが、高齢者という印象はない。 父は今でも働き続け、母も東京や福岡のような遠方…
高校時代に「報われない努力もある」と言われたことがある。 今思えば事実だし、そこまでショックを受ける言葉でもない。 それでも当時は、頑張っていたことが全て否定された気がしてショックだった。 思いがけず言われた言葉に、傷付いたり、逆に励まされた…