人と関わることを楽しむ

「あまのじゃく」という言葉がある。

生物ではなく、人に対して使う場合を考えてほしい。

別の言い方をすれば、「ひねくれもの」とも言うだろうか。

正直私自身も、あまのじゃくな部分はあるという自覚がある。

この「あまのじゃく」的な要素は、心理学的にいうとスノッブ効果」と呼ばれるものだろうか。

つまり、誰も持っていないもの、誰も知らないことだからこそ、欲しい、知りたいと思う心理状態のことだ。

 

逆に、「みんなと同じ」ということに価値を見出す考え方もある。

特に日本人によくみられる傾向だと言われているが、これは心理学的にいうとバンドワゴン効果と言われる。

これはスノッブ効果とは逆で、みんなが持っているからこそ持っている、誰もがやっているからこそやっても安心といった心理状態のことを表す言葉である。

 

どっちが正しいというわけでもないが、この2つの効果を掛け合わせることで、マーケティングやセールスにつなげる手法はよく使われている。

ただ個人的に思うのは、これら2つの効果は、人間関係にも大いに影響を与えていると言えるということである。

 

例えば、皆さんの周りにも一人は「情報通」もしくは「噂好き」な人がいないだろうか?

そういう人の周りには、不思議なことに人が集まりやすいものだ。

誰も知らない最新情報や、根拠が曖昧でも知っている人が少ない話などには魅力を感じ、知りたいという欲求を誰もが持っている。

そう考えれば、これも一種の「スノッブ効果」といえるのではないか。

 

また例えば、最近流行っている「PayPay」などのようなキャッシュレス決済。

どうしても慣れないものということもあって、日本ではまだまだ活用する人は多くないと言われているが、少しずつ増えつつある。

「還元ポイント」などの話題もあったからこそかもしれないが、ニュースで取り上げられたり、身近で使う人も増えたからこそ、「やってみようかな」という人が増えてきた。

もっと使う人が増えなかったり、報道で取り上げられることがなければ、多分もっとキャッシュレスの利用者は増えずにいただろう。

みんなやっているなら大丈夫、みんながやり始めているなら自分も始めないと、といった心理が働く。

これはまた、ある種の「バンドワゴン効果」といえる。

 

こういった心理学に基づいて、人間関係や人間の行動を考えてみると、人間の行動の構造が見えてくる。

こういった視点から、人との関わり方、言葉選びをやってみるのも良い。

そのためにはまず、相手がどういう性格の人で、どのような思考回路を持っている人かということを知る必要はある。

 

常日頃、周囲の人の動作や発する言葉、考え方などに敏感でいる必要がある。

大変なことかもしれないが、癖付けが出来ればいくらか人間関係は楽になる。

そういう視点で、少し冷静に周囲の人を見てみると、意外と人と関わることが楽しく思える。