“若い”って何歳までのことを言うんだろう

「還暦」と聞くと、とても高齢のようにとられていた時代がある。

私自身も正直小さい頃は、「60歳」と聞くと高齢者という印象があった。

 

しかし今年、自分の両親が還暦を迎えたが、高齢者という印象はない。

父は今でも働き続け、母も東京や福岡のような遠方にも普通に行っている。

もっと言えば、70代の祖母も、今でもなお友達と毎日のように出掛けている。

 

人生100年時代に突入している今、年齢は言い訳にならなくなっている。

新しいことや苦手なことに挑戦することに、「遅い」という言葉はないのだ。

 

日本は、少子高齢化と言われて久しい。

出生率の向上を目指す動きの中で、「LGBTの人たちは生産性がない」と発言した議員は多くの人からバッシングを受けて話題になった。

出生率を気にするのは当然大事なことだが、今は「その人らしさ」も重視されている。

バランスよく、世の中を分析することは難しい。

 

ニュースを見ていると、80歳を超えても現役で働く人が増えた。

しかも、じっと座ってやる仕事だとか、ハードではない仕事に限定しない。

自分の腕に確かな自信を持つクリーニング屋さんや筋トレの一種として働くホールスタッフの方など、業種は問わない。

そんな人生の先輩の姿を見ていると、「年齢って関係ないなぁ」とますます思えてくる。

 

だからと言って、「若い人はもっとがんばらないと!」とは個人的には思えない。

若者でも立ち止まることを選ぶ人や、「働く形」を模索する人、やりがいを見出せずに悩む人がいる。

こう言ってしまうと「若くて何も分かっていないくせに生意気なことを言って」という声が聞こえてきそうだが。

でも逆に、こういう悩む時間が多いからこそ、未熟でなかなか答えにたどりつけないからこそ「若い」とも言える。

 

「若い」を何歳までのことを言うかということを考えるとき、それには多分「基準」が求められる。

単純に「何歳か」ということだけで決める数値的な基準。

もしくは働いている年齢。

日本では働く人を「現役」、仕事を辞めて老後に入った人たちを「リタイア組」と言うくらいですから。

あるいは「生きがい」を持っていきいきと生きている年齢。

それを言ったら、現代の人々はほとんどの人が「生涯現役」であり、ほとんどの人が「死ぬまで若い」ということになる。

 

少子高齢化と言われる世の中でも、今の日本では「若さ」が溢れかえっている。

若いを「何歳まで」と定義すること自体、無意味だった。