人格は変化し続けるもの

人格は、「経験」の積み重ねによって形成される。

ここでいう「経験」は、生まれ育った環境や、出会った人々との時間も当然含まれる。

だから人格は、一生定まることなく変化し続けるのである。

 

テレビ番組で、ある一人の少女の話を観た。

その少女は小さい頃から引っ込み思案で、人前で話すことがとても苦手だった。

でも、腹話術と出会い、オーディション番組に自分から「出たい」と両親に懇願。

そのオーディション番組で、彼女は見事優勝し、その後は多くのステージやテレビ番組に出演するようになった。

人形の言葉としてしか言葉を発することが出来なかった彼女が、今では自分の言葉で話すことが出来るようになっている。

これこそ、経験が人格を変化させた一つの事例と言える。

 

私自身、高校時代までは、新しいことに挑戦することがあまり好きではなかった。

失敗することがこわかったし、単純に初めてのことをするときの不安感が嫌いだった。

新しいことをするとき、私はワクワクする気持ちを持てないタイプだった。

しかし大学進学後は、新しいことや初めてのことばかりの毎日だったため、新しいことに挑戦せざるを得なかった。

しかし、そのような毎日を過ごすことで、新しいことにワクワクする自分に変わっていた。

私自身も、経験で人格が変化したことを実感している。

 

当然、良い方ばかりの変化ではない。

良い変化があれば、一方で悪い変化もあるだろう。

でもとにかく、人は絶えず人格を変化させていく生き物だ。

 

自分の人格は、知らず知らずのうちに変化していくことがほとんどだ。

目に見えて変化していることを実感することもあれば、本当に気付かないこともある。

だからこそ、過ごす時間や環境、出会う人々は大切なのである。

 

ふと自分を振り返ったときに、自分の変化に気付くということがある。

でも逆に、立ち止まることを忘れてしまうと、自分の変化でさえ気付くことができない場合もある。

だからこそ私は、「人間は自分のことを自分が一番理解出来ていない」と思っているのだ。

 

自分は正しくて、全うで、まともな人間だと、根拠もなく自分を評価してしまう。

そういった自己評価ほど、危険なものはないと個人的には思う。

自分のことだからこそ、一層、「客観性」を持って見つめ直すべきである。

 

自分を振り返ったとき、自分の思い描くような自分ではなかったとする。

しかし、「人格」は変化するものである。

それはつまり、自分の意識次第で自分を変えることが出来るということだ。

どのような「経験」をしたら自分を変えられるのか、一度立ち止まって考えてみるのも悪くない。

結局、自分を変えられるのは「自分」しかいない。